皆さんは、人間の体の中で、ぐちゃぐちゃとした血管が出来てしまうことがあるのをご存知ですか?
2009年から2012年まで、奥野先生は慶應大学大学院に所属して研究をしていました。
テーマは「病的血管」です。つまり「異常な血管」
この論文は当時の研究結果をまとめたものです。
人間の体には、秩序の整った血管の網目が張り巡らされています。
ところが、がんや炎症では、そういった秩序が失われ、ぐちゃぐちゃとした血管がたくさん出来てしまいます。
なぜそのような異常な血管ができてしまうかは今までわかっていませんでした。
この研究では、その原因となっている遺伝子を世界に先駆けて発表しています。
そのような遺伝子があるせいで、異常な血管が出来てしまうというものです。
詳しく知りたい方は下記のリンクもぜひ!
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22797809
今までの医学では、血管は「栄養を運んできてくれる、良いもの」とされてきました。
しかし実際には、病気の場所には、ろくでもない血管ができてしまっています。
ぐちゃぐちゃの血管は役に立たないどころか、病気を助長します。
さらに悪いことに、これらの血管とその周りにできる神経が、痛みを生じさせているかもしれないのです。
ですからこの研究は、まさに今奥野先生が取り組んでいることにも関係しています。
それにしても、顕微鏡の写真はどれも綺麗ですね!