簡単な日本語のまとめを書いておきます
ご興味のある方はぜひ ↓
背景
変形性ひざ関節症による痛みは多くの人が抱えています。
特に、飲み薬や注射では良くならず、かといって人工関節の手術をするほど重症ではない、という人への治療は、有効な手段がはっきりと示されていません。
我々はこれらの慢性的な痛みも血管が原因であり、カテーテル治療をすることで改善するのではないか、という仮説のもとに臨床研究を行いました。
方法
変形性膝関節症でひざの内側が痛む患者さん14名に対してカテーテル治療を行い、安全性とWOMACスコア(膝関節の痛みや機能を評価するもの)を測定しました。ただし変形が重症で人工関節手術の対象になる患者さんは除いています。また、注射治療やリハビリや飲み薬など最低3ヶ月は治療を行ってそれでも痛みが改善しない患者さんを対象にしました。
結果
14例全例でひざ内側の軟部組織(滑膜、骨膜、脂肪体、関節包)に異常な血管を認めました。
特に重篤な合併症を引き起こすことなく治療できました。WOMACスコアは大きく改善し、1年間のフォローに於いて一部を除いて再発は認めませんでした。
結論
ひざ内側の軟部組織に増殖した血管が痛みに重要な役割を担っていること、カテーテル治療が安全に疼痛緩和に有効であることが示唆されました。